GeeklogをASPサービスでレンサバ会社に提供していただくことを一時期もくろんでいましたが,早々にあきらめました。
というのは,Geeklogは,汎用CMSの中でも,非常に高機能なことを組み立てられるプラモデルであり,簡単にきせかえ人形であそぶ(テーマ変更であそぶ)というようなデザイン的要求だけに留まらないからです。
テーマ変更であそばせるだけでセキュリティ的にあぶないことをさせない,安全なサービスなら,わざわざGeeklogを選ばなくてもよさそうです。
Geeklogを使いたいユーザーはヘビーユーザーなので,サーバー会社としては,どれだけメルマガを発行されるのだろうか,とか,どれだけGeeklogの擬似cronを使われるのだろうか,どれだけ自動生成コンテンツなどでリソースを使われるだろうか,というような心配,PHPを駆使していろいろ構築できたり,セキュリティ的にどう守るか,など,心配も大きいように思います。
一時期,サーバー会社がインストールサービスを提供して,CMSを自動インストールするサービスがはやりましたが,これも,古いセキュリティ的に問題のあるバージョンを,いつまでも提供してしまうことになって,本当にユーザーのためにはなっていませんでした。
実際,セキュリティホールになって,そのサイトを閉鎖させたり,サーバー会社の対応は大変だったと思います。
今では,Windows対応の自動インストーラがあるので,どんなCMSも簡単にどんなサーバーにでも入れられるようになってきているので,本当に使いたいサーバーを選んで,インストールすれば良いようになっています。
これで,だれもが安心して最新のバージョンで,サイトを思いのままに構築できるようになったわけです。
Geeklogは,今回の1.6.0に対して,日本語開発チームが多くの貢献をしました。表示の高速化からコアプラグインの提供,ドキュメント,テンプレートのデバッグなど等。テンプレートのデバッグはつい最近わたしがテーマを開発している際に見つけたものです。
コアの開発に貢献し,こちらの意見も取り入れてもらい,本家開発者の動向を安心して見守っていられる状況です。
ナビゲーションプラグインも日本語コアチームが開発して本家にまでフィードバックして,多階層メニューとパンくずリストに対応しました。
最近では,XMLを取り込んで表示するFlashコンテンツを生成するオープンソースでもあるOpenLaszloの日本語開発チームのリーダと組んで,フィードを表示するなど,他のOSSとも連携していろいろと開発を行っています。メディアギャラリプラグインから自動的に吐き出されるXMLを利用すると,画像を利用したFlashの動的コンテンツも可能になるので,用途はさらに広がると,期待しています。
1.5から,すでに多言語サイトが本格的に構築できるようになっています。
1.6では,Google Summer Codeの開発によるプラグインを圧縮ファイルを指定するだけの簡単なインストールや,コメントの承認機能が追加されました。今年のGoogle Summer Codeの成果も,いまから楽しみです。
このように,内部までわかって,セキュリティ的にも安心して利用でき,本家とのコミュニケーションがよくて将来も安心して利用できる見通しが立っているCMSだからこそ,クライアントに提供できます。
これで,個人の趣味に留まらず,ビジネス活用まで安心して展開できる環境になったように思います。
Geeklogの中だけにいると,Geeklogがいったいどういう特徴をもっているのかを見失いがちですが,他の様々なCMSに触れることによってようやく掴めてきたところです。
7月1日,2日は,OpenSource World 2009(主催 株式会社IDGジャパン).orgパビリオン(主催 NTTコムウェア)に出展します。2日は特にCMSセッションを行い,WordPressやDrupalなど数多くのCMSを開発しているスピーカーに集まっていただき,それぞれの特性や今後の開発の可能性などを感じていただきたいと思っていますので,どうぞご参加ください。
7月2日 15:30-17:00CMSパネルディスカッション
テーマ「CMS最新事情~ここ1年で大きく変わったCMS模様!」
コーディネータ 今駒哲子(OSS Japan)
参加OSS
* concrete5 汎用CMS
* Drupal 汎用CMS
* eZ Publish 汎用CMS
* Geeklog 汎用CMS
* Joomla 汎用CMS
* Magento eコマース
* MODx 汎用CMS
* Plone 汎用CMS
* TYPO3 汎用CMS
* WordPress 汎用CMS(Blog・SNS)