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CM注意 GeeklogとIvy We

  • 2008/12/09 20:17 JST
  • 表示回数 2,511

CMS導入コストは,商用のCMSを利用する場合にはライセンスの料金がかかり,オープンソースの場合には不要だ。

この急激な不況で初期コストはかけられない。

さらに,商用CMSを利用しなくとも,オープンソースが世界的な開発プロジェクトによって急激に追い上げて,セキュリティ面でも機能面でもそん色ないまでになっている。将来性を考えても,オープンソースの方が良いかもしれない。

問題は導入会社だ。

商用CMSを扱う会社は徹底したサービスを行うので,心強いかもしれない。24時間サポートも契約次第で可能かもしれない。電話一本で駆けつけてきてくれそうだ。ただ,その分,サポート費用は高くつきそうだ。

一方,オープンソースは導入会社が比較的小規模なので,機能面で勝るオープンソースであっても,運用サポートで不安がある。電話ですぐに駆けつけてくるようなことは期待できない。メールか電話でサポートをしてもらわなければ・・・。ただ,その分,サポート費用は抑えられるはずだ。

幸い,メール環境は整っているので,サポートは何とかなる。

オープンソースCMSはいろいろあるが,何を基準に選んだらよいのか。

と,あるCMSを導入しようとしている会社の担当者がひとりごと。 

日本での開発者がどんどん多くなって1000人を超える規模で,開発者が親切でサポート掲示板の雰囲気が良いCMSなら安心だな。 携帯に対応しているのも良い。あ,Geeklogのサポート掲示板は親切で初心者にやさしいと評判だぞ。

(Geeklogの開発者たちはみんなGeeklogを愛しているから,Geeklogを使おうとがんばるひとにもやさしいのよ・・・)

構築はどこに委託すればよいのか。やはり高品質なサイトの制作実績が多い会社が良い。あ,それはアイビー・ウィーか,…

(あ,わたしの会社。)

 

 

というようなことになったらよいなと妄想しつつ,Geeklogの開発やら,来年2月出版される雑誌の執筆やら,はたまた今週金曜日に開催するセミナーの準備に追われている毎日。

オープンソースが安心な理由

  • 2008/11/28 08:49 JST
  • 表示回数 2,262

Geeklogは,すべてが公開された中で開発が行われている。本家の開発環境は,ソースはlog Mercurial Repositoryでバージョン管理されている。だれでもバグトラッカーに書き込めるし,メーリングリストに参加でき,公開掲示板もある。どのようにバグフィックスされて,機能アップが進んでいるかもわかる。実際にソースコードにコミットできるのは,本家開発者の中心のDirkさんを中心とした限られたコアメンバーなので,ソースに問題のあるコードが埋められる危険は無く,安心して利用できる。

日本語版開発環境も,今年7月から,Google Codeを活用したSubversionによる管理に移行した。

コミットする権限を持つ,限られたプロジェクトメンバーによって, 安全にソースが管理されつつ,だれでもダウンロード(Downloads),エラー報告(Issue),ソースの表示・取得(Checkout:Browse),コミット履歴の参照(Checkout:Changes)等が行える。

以前,銀行のシステムに,一開発者の口座に小額が自動的に振り込まれるプログラムを紛れ込ませる不正があったが,商用のクローズドなソースだったからこそ多くの目でのチェックも無く,そのような不正なコードが埋め込まれた。だから銀行のシステムもオープンソースで作れ,というのではないが,オープンソースであればそのような事故はなかっただろう。

オープンソースにすることで,ソースコードはきれいに整えられて,ドキュメントは必要なものが蓄積されて,検索できるようになっている。多様な言語・文化の開発者が参加することによって, ソフトウェアの設計はグローバル化される。

一般的に,開発者を日本に限ると,一旦作成したものを海外で利用できるものにはなかなかならないものだ。 ソースコード内に日本語の言語が入ったり,コメントも日本語で入り込む,あるいは時刻の表示形式が多言語に対応しない,住所表記がグローバル化されない,等など。

さらに,開発スピードにも差が出てくる。

Geeklogは,OpenIDに対応した。このような開発も,日本だけの限られた開発者ではできなかったかもしれないが,グローバルな開発者の連携があって,いち早く対応して世界的な開発の流れを取り込むことに成功している。

もうひとつ付け加えたいことは,開発者の人格だ。

Geeklogを選んだ理由のひとつは,当初Geeklog Japaneseを運営していたSaYさんの人柄に好感を覚えたことだ。SaYさんによると,Geeklogを選んだ理由のひとつに,本家開発者たちの好意的な対応だったという。

実際に,本家との関係は良好で,レスポンスはすぐにあり,メールでのやりとりは非常に気持ちが良い。

仕事になるから,とか,得だから,というような打算で集まる集団ではなく,そのオープンソースが好きだから,そのオープンソースが発展していくと,多くの利用者が幸せになるから,ただそういう理由だけで開発に参加する開発者が集まってくる。 Geeklogの知名度は,まだまだ不十分なので,現状Geeklogをやればすぐにビジネスになるわけではない。すぐにビジネスになるオープンソースは他にある。それでもGeeklogが良いから,と集まってくる開発者に囲まれているGeeklogコミュニティは1000人を超えるが,非常に居心地が良い。

このようなコード管理によって,オープンソースだからこそ安心して利用できる,といえるようになる。グローバルな設計思想で構築され,多くの目にさらされて出来あがってきている美しいソースコードをぜひ活用してほしい。

CMSカンファレンスリポート

  • 2008/11/27 21:23 JST
  • 表示回数 2,266

2008.11.26,CMSカンファレンスへ行ってきた。

CMSをテーマにした大掛かりなカンファレンスは初めてなので期待感も高く,参加者数は500人を超えたようだ。CMSにすでに携わっている導入側の参加者が多かったので,CMSがなぜ良いのかというような基本的な前半のセミナーには満足しきれなかったようだが,後半,特に,ビールとおつまみを持ち込んでの最後のオフレコパネルディスカッションで本音も聞かれた。

複数セミナーを受けたが,プレゼンテーション手法は参考になった。プレゼンテーションの画像やアニメーションも相当のレベルで制作されている。 説得していくための用語も,企業向けにいろいろと工夫されていた。

いかにスマートに進めていくか,プロジェクト管理手法も研究・導入されつつあるようだ。泥臭いやりとりで深みにはまって失敗を重ねるなかで磨かれてきた手法かもしれない。

というのは,各社失敗プロジェクトを重ねてようやく成功プロジェクトの率を大きくできるようになった,と,率直に過去の失敗をクチにしていたからだ。CMSを導入するクライアントは,ほとんどの場合ははじめての経験で,十分な対応ができるわけではない。しかも間に2社3社と入ればコミュニケーションは悪くなり,結局最後には直接交渉して突貫作業になったりもする。ありがちなはなしだ。

セミナーの講演は,もっぱら大型案件ばかり扱うコンサルティング,代理店,制作会社等のため,多くは商用CMSだが,小型案件で承認ステップが無いものに関しては,オープンソースを導入している企業も多いようだ。

といっても,承認ステップは,すでに社内のシステムによって出来上がっていて,導入しても実際に活用されない場合が多いようなので,オープンソースを導入する上での技術的な壁は承認ステップかと思っていたが,そうではないのかもしれない。

オープンソース側も,オープンソースによっては商用CMS同様,企業からの確実なサポートを受けて,確実な対応ができることが理解され,それが企業側に浸透していくことにより,個別のオープンソースを指定しての導入プロジェクトが増えていくことに期待したい。

いずれにしても,オープンソースだから,とか,商用だから,という以前に,個々のソフトウェアを吟味して良いものを活用してほしい。 オープンソースといっても,開発体系は非常に幅広い。

オープンソースCMSだから,サポートが不十分だとか,開発管理ができていないのではないか,というようなことは,個別のオープンソースの開発事情を知らないための誤解だ。オープンソースはソースや開発過程が公開されるために,非常にシビアにプロジェクトを運営している場合が多く,それがだれでも監視できる状況だから安心だ。

それよりも,商用の場合,ソースが公開されていないリスク,携わる開発者が少ないことのリスク,利用者が限られて不具合をフィードバックする量が少ないことのリスク,開発状況がユーザから見えないリスク等々,もう少し認識されてもよいと思うが…。

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