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オープンソースを企業が利用する場合のうしろめたさ

  • 2008/05/08 10:38 JST
  • 表示回数 2,808

オープンソースを企業が利用する場合に,かなりの割合でオープンソースを使っていることを公表しない。

公表しないのなら最初から利用しなければ良いのだが,費用面で使わざるを得ない。商用なら数千万から数億かかるかもしれないものを高々数百万で利用できるのだから。

オープンソースを利用してサイトを公開する場合,フッタにどういうオープンソースCMSを利用しているのか,オープンソースならばそのオープンソースに敬意を敬意をはらって掲載すべきだと思うがどうだろう。

中小企業より,大手企業にこういう傾向がある。

企業では個の発言が難しい。オープンソースコミュニティへの発言は,企業名ではなかなか出しづらいものがあることは十分理解できる。

利用する場合には,何らかの開発を行っているはずで,フィードバックするものはたくさんあるはずなのだが,企業名を出せないことからフィードバックを結果として何も行わないまま,オープンソースを使っていることさえ隠して利用してしまうことになる。

オープンソースを使っていることが,かっこいい! と思われるような雰囲気がほしい。

以前,このブログにも書いたが,オープンソースを納入条件として追加する件,どこかでそういう傾向が出てきていないのだろうか。

オープンソース汎用CMSの動向

  • 2008/04/05 13:33 JST
  • 表示回数 2,578

オープンソースの汎用CMSは使ってみたいがどれを選べば良いのか迷う,というのを良く聞くので簡単に動向を紹介したい。

XOOPS Cube ~日本で最も有名な汎用CMS

日本一のユーザー数をかかえ,書籍数も多く,開発者が最も多い,日本で一番有名なCMS。開発されているモジュールの数が圧倒的に多く,そのまま利用する場合には初期開発コストを低く抑えられる。XOOPSから派生したNetCommonsも注目されはじめている。

Joomla! ~世界的人気の汎用CMS

Drupalと共に世界的に人気が最も高いCMS。テーマが豊富に用意されている。日本での利用者数も必然的に多い。携帯でも閲覧できる。

MODx ~ページ生成機能が強い汎用CMS

非常に軽くてデザイナー好みのサイトを設計可能。デザインに特化したサイトを制作しやすい。ページ作成機能に特化されたものであり,ページを階層的に設置できる。ブログ機能は個々にカスタマイズして機能を追加する必要がある。

MT ~汎用CMSを志向するブログ

静的ページを生成するので,アクセス数の多いサイトの設計に向く。Blogとしての初期設計だったが,最近では汎用CMSへと機能を拡張しつつある。完全なオープンソースというわけではないが,歴史とユーザー数で世界的に有名。

Geeklog ~ブログ機能付き汎用CMS

Blog機能をコアに持った汎用CMSとしての初期設計で,DBを活用したカスタマイズシステム開発に適している。SEOに強い。記事投稿だけでなく,メールマガジンやアンケート,イベント投稿などポータルサイトの機能を持つ。MTフォーマット相互変換プラグインでCMS乗り換え自由。軽くて直感的操作が強み。携帯でも利用可能。日本ユーザ会のSNSには900名近い参加者がおり,セミナーや各種イベント参加も活発。

以上,Geeklogを推進している立場からではあるが,簡単に主な汎用CMSを紹介した。

選ぶポイント

どう選ぶかは,そのCMSがどういうバックヤードで運営されていて,どうサポートされているか,フィードバックが十分行ってもらえる環境なのかどうかを見るのが大事だ。それぞれの日本における配布サイトを見て比較すると良いだろう。

CMSの基本部分である管理画面がどう設計されているのかが実は非常に重要で,この管理画面の設計は,ソフトウェアの根幹部分であり,容易にあとからすこし開発しようとしても変更できる部分ではないからだ。追加したい機能は,プラグインやモジュール追加の仕組みさえあれば,後からいくらでも開発して追加できるが,コア部分はなかなか手を入れられないものだ。そのため,導入前に編集画面を試してみることだ。

今後はCMS同士がOpenIDで連携していく傾向で,汎用CMSと各種専用CMS,たとえばSNSやWikiとシームレスなログイン連携が行われていくことになりそうで,汎用CMSだけでなく,各CMSの開発動向に注目したい。

Wikipediaの「コンテンツマネージメントシステム」 では,この他,多くのCMSが紹介されている。

大学がオープンソースに貢献する

  • 2008/03/30 15:38 JST
  • 表示回数 2,532

今年にはいって京都大学東南アジア研究所から積極的に公開を前提としたGeeklog開発費用を提供していただくようになった。

すでに記事管理画面の機能アップを開発して,ダウンロードセクションで公開している。GoogleMapsAPIをもっと高機能なものを記事内で簡単に利用するアドオンも現在開発されようとしている。

これまで,参加している開発者の善意で日本語で配布する際に便利なプラグインやハックを無償提供されて,使いやすく便利なGeeklogに育ってきている。

テーマエディタプラグインはmystral-kkさん,コンフィギュレーションエディタプラグインはnmoxさん,携帯ハックはim-ltdさん,OpenPNEシングルサインオンはTsuchiさんというふうに。また,Zen CARTプラグイン「Zen CART on Geeklog」は弊社アイビー・ウィーが開発費用の半分をkinoさんに提供して開発,公開した。さらに,ここでは紹介しきれないほどのアドオンが開発され,公開されている。

開発者たちは,お互いに公開しあうことで,お互いの利益になることを知っているので,オープンソースの活動は自然に活発化するのだが,デザイナーの場合は,公開しあうことでお互いにメリットになる経験をあまりしてこなかった。PCやWEB制作に関する情報交換では若干あるのかもしれないが,そういう文化がないので,オープンソースに積極的に参加するきっかけは少ない。それでも,CMSのオープンソースでは,他のソフトウェアに比べてデザイナーの参加比率は高い。デザイナーもさらに高機能で付加価値を提供できるCMSを自身で設置提供できるようになるし,オープンソースの活動に参加することで開発者と連携しやすくなり,ネットワークを広げて大きなプロジェクトを運営できるようになるメリットがあるからだ。

企業も,なぜソフトウェアが無償で手に入るのか,その背景を理解し,利用するからにはかならず貢献する姿勢がほしい。貢献した開発成果物に,企業の名前を明記して配布することにより,企業のステータスは上がる。少なくともオープンソース開発者の仲間うちでは,確実に好感をもたれることは間違いない。

たとえ公開した成果物が,ライバル企業に利用されることになったとしても良いではないか。ライバル企業がさらに開発して,その成果物はいつか自分たちが享受することになっていくのだから。

京都大学の一研究機関のオープンソースへの取り組みに対し,他の大学や各種研究機関,企業も続いてほしいものだ。

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