SNSの運営で失敗するのはたいてい次のような理由だ。
- 運営SNSのテーマに魅力がない。
- ターゲット層のITスキルが低い。
- 中心となる運営者がネット人脈を持たない。
- 運営者が居心地の良いSNSの設計をしていない。
OSPNは,オープンソースイベントで全国を年6~7回のペースで開催するオープンソースではもっともユーザが集まるコミュニティだ。ユーザグループはこれまでほとんどのオープンソースコミュニティの連絡手段であるメーリングリストでのみ交流してきたが,それではコミュニケーションにも限界があるのでSNSを提案してOSPN SNS(http://ospn.jp)を新設した。昨日ブログで紹介して昨日の登録者数は35名,現在の登録者総数はメーリングリストへの告知もあって 135名。最終的に数千人から数万人規模のコミュニティに育って欲しい。
現在のOSPN SNS(http://ospn.jp)
OSPNに参加している層は,元々コンピュータ操作が得意な層だ。総合的なオープンソース交流の場としての必要性は高く,参加者のITスキルは十分で,ネットワークはリアルもオンラインも十分にある。あとは,いかに運営者が参加者に対して居心地の良いSNSを提供できるかだ。
デザイン
まず一番にデザインだ。OpenPNEをインストールしてそのままのデザインで放置して集客できるわけが無い。コミュニティにふさわしく,このサイトに毎日来たいと思わせるようなデザインでありたい。あまりゴテゴテせず,シンプルなほうが良い。SNSは内部コミュニケーションサイトなので,外向けの情報発信サイトは別に設置して,性格をはっきりと切り分けると参加者は迷わない。すべてをSNSでやろうとは思わないことだ。
プロフィール
プロフィール項目は,mixiなど用意されたSNSに参加するのではなく,自身で設計する場合にはコミュニティカテゴリ同様,自由に設定できる項目なのでぜひカスタマイズしたい。ここもデフォルトのままでは効果半減だ。OSPN SNSでは,特にオープンソースコミュニティの運営・参加状況,OSCへの出展・参加状況を追加している。MixiのURLも掲載して,さらに相互に連携するためのプロフィール項目を用意した。お互いに,はじめてのコミュニティにおける交流で,どんな活動をしているのか不安でも,プロフィールを見るだけでわかるので安心だ。メーリングリストにはだれにメールがわたっているのかもわからないし,プロフィールページという概念がないので発言者はどんなひとなのかもよくわからないので不安だが,SNSでは常時確認できる。
コミュニティカテゴリ
コミュニティガテゴリは必ず変更したいところだ。デフォルトでカテゴリが用意されているが,ほとんど活用されないようなカテゴリは一切削ってしまうことだ。OSPN SNSでは,大きく,主催者側が設置するOSPNカテゴリ,オープンソースコミュが自由参加するカテゴリ,オープンソース交流のためのカテゴリ,OSPN 運営者専用の非公開用のカテゴリのおおきく4つを設置した。特に,オープンソースというカテゴリの中に,Wikipediaのオープンソース項目にならって,細かくカテゴリを設置した。その中に,様々なオープンソースコミュニティが生まれていくことを願っている。また,オープンソースの相互交流のためのカテゴリや地域での交流の場のためのカテゴリも設置した。運営者グループだけの非公開コミュニティやOSPN出展者専用コミュニティ,全員が参加してSNS の運用をかんがえるコミュニティなどもある。
こうしていろいろな参加者の声を聞きながらみんなで良くしていこうという機運を高めることができれば成功だ。
コミュニティ
コミュニティは,作ったら必ずコミュニティアイコンを設置しよう。それがシンボルマークになる。まずマイフレンドに紹介して参加してもらい,副管理者を任命して複数体制で運営することだ。主催者側で設置するコミュニティは,特別なidであるid1はメールアドレスとパスワードを共有し,運営グループ共有のアカウントとして共同運営する。また,最初に,こんなスレッドは立つだろう,あるいは立って欲しいと思われるものは,あらかじめ運営者が立てておくと,参加者も安心してコメントしていける。
日記
日記は運営者グループがまず最初にこまめに書いていこう。日記にはお互いにレスをつけあう。そうやって,はじめての参加者は,どんなひとが運営しているのか,日記はどのように書けばよいのか自然にわかる。日記には,困ったことがあればそれも素直に書けばよい。だれかが解決方法をコメントしてくれるだろう。そうやって助け合いの雰囲気をSNS全体に広げていくことだ。
SNSの活動指標として何人参加しているかは大した問題ではない。どれだけ個々にそのSNSが必要として参加しているかだ。SNSがはじめてのひとも,使い慣れているひとたちの動きをみながら徐々に慣れていく。みんなで運営をかんがえるコミュニティで,どんどん意見を出していってもらい,それを吸い上げながら改善していき,居心地の良いSNSを構築していけばよい。意見を吸い上げる場を十分に用意していくことが肝心だ。あとはどんどん個々に盛り上がっていくのをただ見守り,ひとりの参加者としてたのしく参加していくだけだ。